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株式会社ディーファ
⻄川哲也
公認会計士・税理士事務所

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[解説]

毎月の業績検討会を持たせていただいているお客さまと、
弊社事務所にて、例月の検討の機会を持ちました。

社長にお時間をいただいて、いまの状況を確認し、
残りの期間をどうするか、考えを整理していただいています。

この社長、もともと営業畑ということもあってか、どうしても
話が売上中心になり、利益のことはおろそかだったのですが、

しばらくご一緒するなかで、ようやく利益をどれだけつくるか
というところから考えていただけるようになってきました。

そんな社長なのですが、この日は珍しいリクエストがありました。



社長「ちょっといま貸借対照表(B/S)がどうなっているか、
   説明をお願いしていいですか?」

西川「売上大好きな社長がB/Sとは、珍しいですね。
   どうされたんですか?」

社長「実は取引先とちょっとトラブルになりかけていまして。
   場合によってはまとまった額になりそうなんですよ」

西川「それはたいへんですね。どれくらいなんですか?」

社長「年間の利益ではカバーできなさそうなんです。
   それで、B/S的に耐えられるのか、教えてほしいと思いまして」


直近の月次決算書のB/Sを見ながら、資産・負債・純資産の
大きな構成がどうなっているのかを確認しました。
また現時点の預金・借入はどれだけあるのかも確認しました。


社長「恥ずかしい話ですけど、ふだん会社にどれだけ預金が
   あるか、まったくつかんでいませんでした」

西川「資金繰りに困る経験をされてない社長さんは、
   手元キャッシュのことをあまり意識されてないですね」

社長「最近、手元キャッシュ残高の目標を置きだしたんですよ。
   そうすると、ちょっと見方が変わってきました」

西川「どう変わったんですか?」

社長「売掛と在庫のことがすごく気になるようになって。
   今までだったら、売ることしか考えてなかったし、
   売るためには在庫をできるだけ持っておかないと、
   と思ってましたから」

西川「なんだか、初めてお会いしたころと比べると、
   別人のようですね」

社長「社長になって3年ですが、ようやく会社全体の数字を
   リアルに考えられるようになってきた気がしますね」

西川「お金を寝かさず、ぐるっと回したら儲けになって
   かえってくる、という感覚を持てるかですよね」

社長「商売の構造をどうつくるか、ということを考えないと
   いけないな、と感じます」

西川「そのレベルは、会社のなかで社長しか考えられない
   ですからね」


傾向として、お金に困っていない会社の社長さんは必要性が
ないので、BSの状態には明るくないことが多いようです。
先代が良い財務状態をつくられていて、それを引き継がれた
後継者さんも同様です。


いまある預金のうち、一部を脇に置き、ないものとして
会社を回していくとどうなるか?
事業の構造を変化させていくきっかけになるかもしれません。