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株式会社ディーファ
⻄川哲也
公認会計士・税理士事務所

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[解説]

弊社では期末を迎える前に、決算の着地と方針を検討する時間を
お客さまに持ってもらうようにしています。

長年役員をされていた社長のお母さまにリタイアいただく
ということで、役員退職金を支給するというお話になりました。


社長「なるほど、それくらいの金額だったら出せるんですね」

西川「ところで、来期の見通しはどうですか?」


決算対策を考えるときは、今年だけでなくそれ以降の年の
見通しがどうかも、考えておく必要があります。


社長「来期は今年よりも下振れしそうな感じですね。
   ちょうど、この退職金ぐらいの利益になりそうです。」

西川「では、あえてお母さんのリタイアをあえて来期にする
   という考え方もあるかもしれないですがどうですか?」

社長「と、いいますと?」


今期の法人税を減らすだけなら、今期に役員退職金を
払った方が有利です。

しかし、
あえて本業の利益が薄い来期に役員退職金を支払うことで
自社株の株価を大きく下げることができる可能性があることを
お話しました。


社長「なるほど、そのタイミングに息子に株を移せば
   自社株移動にかかるお金を抑えられるということですね」

西川「ケースによるので一概に言えないですけどね。
   一度シミュレーションしてみますね。」

社長「ありがたいです。よろしくお願いします。」



社長「ところで、そのシミュレーションはしてもらうとして、
   息子へ株を動かしていくことについて
   私、気になっていることがあるんですよ。」

西川「何でしょう?」

社長「うちの息子、まだ社会の苦労をわかってないんです。」

西川「たしかに。これから経験を積まれるところですからね。」

社長「そうなんですよ。
   だからそういう経営者としての苦労を知らないうちに、
   こちらが先に先にと膳立てしてしまうことが、
   はたして本人のために良いのだろうかと思うんです。」

西川「なるほど。」

社長「息子には、余計な苦労をさせたくはないんですが、
   業績も、株のことを含めた会社の将来のことも
   自分で考えてやっていけるようにさせないと
   いけないと思うんですよね。」

西川「これからは、息子さんも一緒に、この一連の話、
   お話していくのがいいかもしれませんね。」


わたしたちは日頃、数字とお金の話をしているので、
つい、損か得かでものごとを考えがちです。

でも、実際の経営においては、損か得かだけでは
決められないことがあります。

「どうすれば未来がより良くなるのか?」

常にその視点をしっかり持っていないといけないなと
あらためて感じる機会でした。