働く喜び試験に合格してこの業界に入ってから以後約20年、公認会計士・税理士として、多くの会社・経営者の方とご縁をいただきました。会社の規模は、上場会社から、ご家族で経営されている小さな会社まで。また業績の面では、非常に業績のよい会社もあれば、その月その月をどう乗り切るかという、厳しい状態の会社もありました。

 

そのなかで、会社の様子に目を向けてみると、意外な現実があることを感じるようになりました。

それは、「会社の業績が良いからといって、従業員さんがいい関係でいきいきと仕事をしているとは限らない」ということでした。業績は絶好調だけれど、社内の人間関係は非常に難しくなってしまっているという会社も、決して少なくはなかったのです。

 

「なぜだろうか?」わたしは考えました。もちろん理由はさまざまあるでしょう。

しかし共通して言えるのは、そのような会社は、「従業員さんにとって、自分の会社、自分たちの会社だとは、思えていなかった」ということです。

だから、そこで働く人々にとって会社の業績がよいかどうかは、関係のないことになっていたのです。

それは、単に待遇の問題ではありません。業績どおりに自分の報酬があがらないことへの不満だけが原因だというわけではないのです。

この仕事をする意味はなにか。この会社で働く意味がどこにあるのか。それを、待遇や報酬以外のところに見出すことができていなかったからなのだと思います。

 

中小企業の組織のあり方については、いろいろな考え方があります。

何が良くて、何がよくないのか、わたしは論じることができる立場にはありません。しかし、少なくとも、「社長が一人で孤軍奮闘し、その他大勢は黙ってついていく」というあり方は、社長にとっても、従業員さんにとっても幸せなスタイルではないように思います。

 

そのような思いから、わたしは「社員と一緒に会社を良くしたい。知恵を絞り、汗を流し一生懸命働く幸せをともに感じたい」そう考えておられる中小企業の経営者をサポートすることを自分の使命にしようと決めました。

 

大人たちがみんなくたびれきっている。そんな大人を見て、子供たちは将来に何を思うでしょうか?

「はやく大人になって、お父さんやお母さんのようになりたい。」

子供たちにそう思ってもらえるような、大人でいつづけることができるかどうか?

いまを生きるわれわれの、大事な役割であるように思います。

 

わたしには願いがあります。それは、「働く大人の後ろ姿に子供たちが憧れる社会を実現すること」です。キラキラと輝く大人の姿に子供たちがまぶしさを感じる。そんな機会が、いたるところで生まることを願っています。

 

一つひとつの職場が輝き、一つひとつの家庭が輝く。

そして、一人ひとりが輝いて、その輝きが世代を超えてつづいていく。

 

「働く喜びをみんなのものに」

 

何を浮いた夢のような話をと、言われるかもしれません。

しかし、夢のような話に大真面目に取り組む連中がいてもよいではないか。

そう思って、日々を新たにしています。西川署名